スペシャル対談

鈴木 眞雄さん(料理人) × 鹿野 正道さん(日本調理技術専門学校 フランス料理主任教員)

どんな食材にも合わせやすい
ふくしまの牛肉は旨みの強さが魅力

鈴木私も鹿野さんも福島県出身。初めてお会いしたのは確か……。

鹿野2010年ですから、8年前ですね。それ以降もイベントや講演などでたびたびお目にかかってます。今回は二人で福島県産牛を料理しようと思いまして、霜降り(ロース)と赤身(もも)を用意してみました。

鈴木これまで何度も福島県産牛を料理してきましたが、いつも思うのが、ふくしまの牛は扱いやすいということ。

鹿野確かに。優しい味わいなので、いろいろな食材と合わせやすいですよね。

鈴木霜降りであってもサシが淡く入っているから、くどくない。焼くと肉の香りが立って、適度な脂が旨みとなって広がるんです。

鹿野赤身は噛めば噛むほど旨みが出てきます。柔らかい肉=いい肉というイメージがありますが、これからは噛んでおいしい、歯ごたえがおいしい、そんなお肉も求められていくと思うんです。まさに福島県産牛の赤身がそうで、これこそが肉を食べる醍醐味じゃないでしょうか。


鈴木肉を食らう!という感じですよね(笑) 私は赤身を薄く切って高温でサッと焼いたのですが、鹿野さんはブロックでじっくり火を入れています。肉料理は単調になりがちですが、調理にバリエーションが持たせられるというのも、福島県産牛の魅力のひとつでしょう。

鹿野今はサシの具合が重要視されています。それはそれでいいのですが、肉本来の旨みという視点で見れば、福島県産牛は日本一、オンリーワンになっていく。それだけのポテンシャルがあると思います。

鈴木おっしゃる通りです。福島県産牛の甘くて淡い霜降り、旨みで個性を発揮する赤身。料理に合わせて上手に使い分け、ぜひ一度、味わってみてもらいたいですね。

美味しく食べるポイント

1. 常温に戻してから調理冷蔵庫から取り出してすぐ調理しては中まで火が通らない。肉は常温に戻してから調理。

2. 薄めの肉は焼きすぎない肉が硬くなるのは焼き過ぎだから。薄い肉は高温でサッと火を入れるのがコツ。

3. ブロックは焼いた後に寝かせる表面を焼き固めたら、5分ほど寝かせる。そうするとじっくり火が通り、おいしさアップ。

霜降りと赤身の味わい

左の霜降り(ロース)はサシが淡く入っているので、くどさが一切ない。焼くと香り高くなり、溶けだした脂の甘みが全体を包み込む。右の赤身(もも)は噛めば噛むほど肉本来の旨みが溢れ出す。この歯ごたえ自体もまた、おいしさをより一層高める。

鈴木 眞雄

KIHACHI(キハチ)レストラン部門の元総料理長。独創的で大胆かつ繊細な料理に定評があり、メディア、各種グルメイベントなどでも活躍。郡山市フロンティア大使も務める。

鹿野 正道

教員として調理を教える傍ら、東北復興イベントに携わったり、海外の食イベントで日本大使館主催ブースを担当するなど多岐に活動。